
今回おすすめさせていただく小説は、有川浩さんの『フリーター、家を買う。』です。
『フリーター、家を買う。(有川浩さん著)』内容(ネタばれなし)
なんのやる気もなく自堕落な生活を送っていた25歳のフリーターが、母親の病気を機に職を見つけ、大切な家族を護るために仕事に励む。主人公が自問自答しながらも少しずつ成長する過程が描かれた、読んでいて前向きになれる小説です。
この小説のおすすめポイント
有川浩さんが描く物語は、とにかく人と人の距離感が大事に描かれてます。時には近づいたり、時には離れたり。時には傷つけたり、時には求めたり。
そして物語に出てくる人たちは、偉い人やお金持ちのような特別な人などはいなく、どこにでもいる平凡な人ばかり。だけどそんな平凡な人にだって、その人ごとに背負うものがあり、それぞれの物語があるのだと感じさせてくれる。登場する人々は平凡だけど、誰もが主人公になれるぐらいの物語を背負っている。
この物語は、フリーターだった誠治が、母親の病気を機に今までの自分の人生を省み、後悔し、そして一念発起する物語です。主人公誠治の成長物語であり、家族の再生物語でもあります。
ちょっと雰囲気としては重たい感じのストーリーですが、ダメ人間だった誠治には感情移入しやすく、ぐいぐい読めると思います。
誰にでもダメ人間だった時ってあると思うんですよね。でもそれに気付いて、それを認めて、やり直せるかが大事なんです。
もし今自分がダメ人間だなって感じている人には是非この本を読んで欲しいと思います。この本がきっと人生の転機の少しのきっかけになるかなって思います。
本って人生を変えるぐらいその人の価値観を変えてしまうから素敵ですよね。
また、文体はとてもやわらかく読みやすいので、小説初心者にもオススメです。
ちなみに、有川浩さんのファンならできれば文庫版がオススメです。単行本版と文庫版のあとがきがどちらも載ってます!そして解説はなんと重松清さん!この解説を読むだけでも一見の価値ありです!!
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