中山七里さんの小説は中毒性があってほんとにおもしろい。
人間の嫌な部分というか、弱い部分、本質的な部分の心理描写に毎回心をえぐられます。
『セイレーンの懺悔』。中山七里さんは「どんでん返しの帝王」の異名をお持ちの作家さんですが、本物語のラストも予想もしないような角度から強烈に読み手の心をえぐってきます。
最後にこの物語の真相というか、本質を突きつけられ、茫然としたまま読み終えるという感じがたまりません。
中山七里さんの作品は、社会的に力を与えられている者たち、例えば警察や司法、マスコミ達が持つ権力の危うさをテーマに描かれるものが多いです。
この物語も、その与えられた力の巨大さ、その重責に抗おうとする主人公の葛藤と苦悩を中心に描かれています。
テーマは重たいと感じるかもしれませんが、テンポよく読めますし、物語そして登場人物たちの思考にぐいぐいと引き込まれ、あっという間に読了してしまうと思います。
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他にも中山七里さんの小説が読みたい方は、『テミスの剣』、『ネメシスの使者』がおすすめです。警察組織や司法制度に焦点をあてた物語ですが、これもまたどんでん返しを楽しめます。
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