文化庁の調べ(平成25年度実施)で、1か月に本を1冊も「読まない」人が、日本人全体の47.5%にのぼることが判明しています。日本人の約半数が本を読まないという選択をしているわけです。
本を読む側の人間になるか、読まない側の人間になるか。これは人生において大変重要な選択です。
読書量と年収は比例するという調査結果が出ています。もちろん読書量が多い人が必ず高収入になるとは限りませんが、高収入者は多読家であることが多いわけです。
今回は仕事という観点から見た場合に、読書によって得られる効果やメリットをまとめました。
●読書によってアイデア力が向上する
想像力、発想力というのは一見その人のセンスに依ると思われがちですが、けしてそうではありません。アイデアというのは、その人の過去の経験、そしてその人が持つ知識の組み合わせによって生まれます。この経験と知識という持ち合わせのカードが豊富であればあるほど、その組み合わせのパターンは増え、結果閃くアイデアの量も増え、そしてその質も高まるのです。経験や知識が乏しければ、その組み合わせ数は乏しく、またその質も平凡的なものになってしまいます。
このアイデア力の礎となる経験と知識は読書によって築くことができます。知識はもちろん読書で得ることができますが、実は経験も読書によって得ることが可能なのです。
例えばフランスについての知識を得る時、実体験として現地に行くことはなかなか難しいでしょう。しかしながらフランスについて書かれた本を読むくことによって、その著者がフランスに行った経験を、自分の知識として吸収することができます。
もちろん実体験で経験値を積むということはインプットの方法としてはベストなのですが、一生のうちに経験できる量というのは正直限られていますしなかなか難しいですからね。
経験というカードの種類を増やすといことはそんなに簡単なことではありませんが、本を媒体として、誰かの経験を知識として自分の中にインプットするということができるのです。
書籍はだいたい1,000円~1,500円ぐらいです。たったの1,500円でいろいろな経験を自分の知識として吸収できてしまいます。読書というのは費用対効果としては抜群に高いのです。
●読書によって理解力が向上する
どんな仕事でも、その仕事を円滑に進めるために、相手の話を理解する力というのは必要不可欠なスキルとなります。同じ内容の会話でも、即座に内容を咀嚼し理解できる人と、まったく内容がつかめず戸惑ってしまう人に分かれます。その差が生まれる原因はどこにあるのでしょうか?それは自分の中にある情報量の違いです。
つまり、与えられた情報を、自分の過去の経験と知識に関連付けることで、その情報を理解する訳です。
例えば友人に、『この前、インドへ旅行してきたんだけど、手続きとかいろいろ大変だったよ』と言われたとしましょう。
この「インド」という言葉と「手続き」という言葉をどのように関連付けることができるかというところがポイントになります。
インドに対しての自分の経験や知識がない場合、この2つの言葉は孤立してしまい、いったい何が大変だったのか全く想像もつかないですよね。
しかしながら、下記の情報が自分の頭にあった場合はどうでしょうか?
・インドへ入国するためにはビザが必要・ビザとは入国許可証である・ビザを取得するには大使館、領事館等に申請が必要
上記の情報があれば、この情報を支点としてインドと手続きという2つのワードを結びつけることができます。『インドへ行くためには入国許可証であるビザが必要なんだけど、取得するには大使館、領事館に申請が必要で大変だった』というように解釈できるわけです。
このように支点となる情報がたくさんあることで、関連付けは容易になり、そのスピードも増します。
相手がこちらの理解力に合わせてくれるとは限りませんから、少ないキーワードでも相手の話を理解することができることが重要です。そのためにはとにかく情報量を増やすことが大切。この情報量は読書で蓄積させることが可能です。
●読書によって表現力が強化される
先ほどの理解力は、相手の言葉を受け止めるスキルでしたが、仕事をする上でもう一つ重要なスキルとして表現力があります。先ほどとは逆に、相手にいかにこちらの考え方を理解してもらうかというスキルです。
相手の理解力が高ければ問題ありませんが、相手が常に高い理解力を持っているとも限りません。相手の理解力によって伝え方のレベルを変えるということは、相手にこちらの話を理解してもらうためにはとても大切なテクニックです。
さまざまな相手のレベルに合わせて話すという技術には語彙力が必要不可欠です。
この語彙力はさまざまな本や文献に触れることでが高まっていきます。
読書をすることにより語彙力が高まり、自分の考えをと的確に伝える能力が高まり、必然的にコミニュケーション能力も高まるのです。
このように、アイデア力、理解力、表現力、いずれもビジネスにおいて必要不可欠なスキルばかりです。この重要なスキルはすべて本を読むことで身に着けることができるのです。
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