
今回は真山仁さんの小説『マグマ』のご紹介です。
真山仁さんと言えば、TVドラマ化もされた経済小説『ハゲタカ』が有名です。その作風は社会への問題提起がテーマとなっているものが多く、またその中で苦悩する人々の心理描写が繊細で、その感情がリアルに伝わってきます。
あらすじ(物語導入部分のみ、ネタばれなし)
外資系ファンドで辣腕を振るう野上妙子。ある日所属部署が急遽解散させられてしまう。一方で妙子は急遽「日本地熱開発」という組織の再生というミッションを命じられる。原発の陰で下火にある地熱発電ビジネス。政治家や研究者、原発や地熱発電を取り巻く様々な人たちの思惑が交錯するなか、妙子の奮闘が始まる。
日本のエネルギー問題がテーマとなっています。原発の代替としての地熱発電についてての可能性が描かれていますが、これが東日大震災発災前の2006年の作品ということに驚きです。原発事故や、原発に関する示唆が大変多く書かれています。
『マグマ(真山仁さん著)』のおすすめポイント
エネルギー問題について物語の中で分かりやすく書かれています。また物語としても、地熱開発というビジネスを成功させるべく、様々な思惑が交錯する中で妙子が奮闘する姿が描かれ、ぐいぐいとこの世界に引き込まれていきます。おもしろい経済小説をお求めの方には是非おすすめです。
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