
闘う君の唄を(中山七里さん著)
どんでん返しの帝王の異名を持つ中山七里さんの作品。
本作品にももちろんそのどんでん返しが仕掛けられているのですが、なるほどそうきたかという感じです。
前半と後半でストーリの毛色が全く異なりますが、前半の物語が後半への大きな伏線となっています。
物語は、主人公の凛が新任教諭としてある幼稚園に赴任したところから始まります。そこに立ちはだかるモンスターペアレンツ達。ただ負けることなく自分の強い信念を貫いて闘う日々。正直新人がそこまでの矜恃を持って闘えるのかという疑問は、後半で明らかになっていきます。
読了後、凛に共感できるかどうかは賛否が別れそうですが、自分は正直共感できなかったですかね。作品途中もなかなか共感しずらい部分もあったのですが、ただ物語にはぐいぐい引き込まれあっという間に読了してしまいました。
ちなみに子育て真っ最中の方には前半の物語の中で大変多くの示唆を受けられると思います。その示唆は、実は凛の過去の経験から導き出されたものなのですが…。後半を読み進めるとその示唆がより一層重みを増すことになります。
前半はほんわかしたストーリ、一転後半はダークな雰囲気になりますが、テンポよく読み進めることができるので読みやすいかと思います。是非おすすめです!
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